美容サロンの経営が軌道に乗ってきたタイミングにおいて、売上を伸ばすために取るべき選択肢の1つとして多店舗展開が挙げられます。複数の店舗を経営するとより多くのお客様を受け入れられる一方で、大幅に赤字となる店舗が発生すると以前より経営状態が悪化してしまう可能性があります。こうしたリスクを考慮して多店舗展開をためらっている方も多いのではないでしょうか。今回の記事では、美容サロンを多店舗展開する際のメリットやデメリットを詳しく解説していきます。多店舗展開を視野に入れている美容サロンのオーナーの方はぜひチェックしてみてください。
【美容サロンを多店舗展開するメリット】
美容サロンを多店舗展開するメリットとして、以下の4点が挙げられます。
1. 売上・利益を増やせる
多店舗展開すると、1店舗だけを経営している時よりも多くのお客様を受け入れられます。2店舗目以降でも順調に売上を伸ばすことができれば、店舗数を増やすほどより多くの売上を獲得できる可能性が高いです。
2. 認知を拡大させられる
複数の店舗を構えると美容サロンが新規のお客様の目に触れる機会が増えるため、認知度が向上しやすくなります。特定の商圏内に店舗を集中させると、エリア内のお客様により認識してもらいやすくなり、「〇〇サロンといえば〇〇」というイメージを浸透させることが可能です。
3. 1つの店舗の収益に依存せずに済む
1店舗だけで美容サロンを運営している場合、経営状態が悪化したらなんとかして売上を回復させなければ赤字になってしまいます。多店舗展開していれば、1つの店舗で大きな損失を出してしまっても、他の店舗の利益でカバーできる可能性があります。
4. 多様な働き方を導入できる
美容サロンでは、異なるライフスタイルやキャリアプランを持ち、様々な働き方を希望する従業員が勤務しています。1店舗だけで経営していると、ある程度の勤務時間を確保できる少人数のスタッフでサロンワークをやりくりすることが一般的ですが、多店舗展開している場合は、時短勤務や引っ越し先に近い店舗での勤務など、より柔軟な働き方を実現することができます。また、店舗数が増えると、店長やマネージャーといった役職に就くスタッフも多く必要になり、キャリアアップを目指すスタッフに多くの選択肢を提供できるのも、多店舗展開の大きなメリットの1つです。
【美容サロンを多店舗展開するデメリット】
美容サロンを多店舗展開すると前述のようなメリットがありますが、以下のようなデメリットがあります。
1. 増大するコストに見合う売上が求められる
店舗数を増やすと、家賃や水道光熱費、通信費、美容機器のメンテナンス費、採用・人件費などのコストも多く発生します。増大したコストが経営を大きく圧迫してしまうリスクがあるため、資金に十分な余裕があることが必要です。
2. マネジメント担当者を育成する必要がある
多店舗展開するためには、店舗ごとにマネジメント担当者が必要となります。マネジメントスキルのあるスタッフを育成するためには時間と労力が必要です。
3. 経費や売上の管理が大変になる
複数の店舗を経営する場合、備品や消耗品の在庫管理、売上や経費の管理などが複雑になるため、効率的な管理ツールの導入や経営ノウハウの共有が必要です。
4. サロンの運営ノウハウが浸透しづらくなる
多店舗展開する場合、オーナーが2店舗目以降の経営に深く携わることは難しくなります。そのため、各店舗の責任者により良いサロン経営を目指してマネジメントに取り組んでもらうための体制づくりが重要です。
【美容サロンの多店舗展開を成功させる方法】
美容サロンの多店舗展開を成功させるためには、以下の3点を意識すると良いでしょう。
1. ベストなタイミングで進める
多店舗展開を成功させる上で重要な要素の1つとして、2店舗目を出店するタイミングが挙げられます。資金に十分な余裕がある状態であり、1店舗目の売上が順調に伸びていることを確認した上で、新しい店舗の開業準備に取り掛かるべきです。
2. 組織体制を明確にする
多店舗展開によって利益を伸ばすためには、店舗ごとにマネジメント担当者を育成し、オーナーがいなくても経営がスムーズに進むような組織体制を整えることが重要です。
3. 店舗に応じた経営戦略を立てる
複数の店舗を経営する場合、各店舗ごとに改善点を洗い出し、適切な対策を講じることが重要です。オーナーが定期的に各店舗を訪れて現状を把握し、各店舗の責任者により良いサロン経営を目指してマネジメントに取り組んでもらうよう働きかけることも大切です。
【まとめ】
美容サロンの多店舗展開は、売上拡大や認知度向上などのメリットがありますが、増大するコストやマネジメントの難しさなどのデメリットも存在します。成功させるためには、計画を立てた上で進めることが重要です。多店舗展開を検討している方は、自分のサロンの状況や経営リソースをよく考慮し、メリットとデメリットを比較検討してみてください。