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「いくら・たらこを食べ過ぎると危険?栄養と知られざるリスクを管理栄養士が徹底解説」

いくらやたらこは、鮭やたらを原料とする魚卵で、ご飯のお供として幅広く親しまれています。その独特の食感や旨味が人気ですが、これらの食品には見逃せない栄養素が豊富に含まれています。今回は、それぞれ100gあたりの栄養価を比較しながらご紹介します。

栄養素 いくら(100gあたり) たらこ(100gあたり)
エネルギー 252kcal 131kcal
たんぱく質 32.6g 24.0g
脂質 15.6g 4.7g
コレステロール 480mg 350mg
カリウム 210mg 300mg
カルシウム 94mg 24mg
2.0mg 0.6mg
ビタミンD 44.0μg 1.7μg
ビタミンE 9.1mg 7.1mg
ビタミンB1 0.42mg 0.43mg
ビタミンB2 0.55mg 0.43mg
ビタミンB12 47.0μg 18.0μg
葉酸 100μg 52μg
食塩相当量 2.3g 4.6g

いくらは脂質やエネルギーが比較的高めですが、その分ビタミンDやB12などの含有量も豊富です。たらこは脂質が少ないですが、食塩相当量は非常に多く、塩分摂取量には注意が必要です。どちらもタンパク質が豊富で、身体の組織を作る材料として重要な役割を果たします。さらに、カリウムやカルシウム、ビタミンEなどの抗酸化物質も含まれており、健康維持に役立つ栄養が詰まっています。

いくら・たらこを食べ過ぎると起こる健康リスク

魚卵であるいくら・たらこは美味しく栄養価が高いですが、その一方で塩分やコレステロールの含有量が高いことから過剰に摂取すると、健康面で懸念されることがあります。主なリスクは以下の通りです。

(1)塩分過多による血圧上昇

いくらやたらこは加工過程で塩分を多く含むため、食べ過ぎると1日の塩分摂取量が簡単に超えてしまう恐れがあります。塩分の過剰摂取は体内の水分バランスを崩し、血圧を上昇させやすくなります。長期的に高塩分の食事が続くと、高血圧の原因となり、心疾患や脳卒中リスクが高まってしまいます。特に普段から塩分を多く摂りがちな方は、魚卵の摂取量に注意が必要です。

(2)コレステロール過多による動脈硬化リスク

いくら・たらこはコレステロールを多く含みます。コレステロールは体に不可欠な脂質成分ですが、過剰に摂取すると血中の悪玉コレステロール(LDL)が増加し、血管壁に蓄積され動脈硬化を引き起こす恐れがあります。動脈硬化は心疾患や脳卒中などの深刻な病気のリスクにつながるため、コレステロール値が高い方は摂取を控えめにしましょう。

(3)プリン体についての誤解と実際

魚卵はプリン体を多く含むという印象が強いですが、実際の含有量は食品によって異なります。プリン体は尿酸の元となり、痛風の原因物質として注目されています。しかしいくらのプリン体含有量は100gあたり約3.7mgと、極めて少ない食品に分類されています。一方、たらこは約120.7mgで、少ないとも多いとも言えない中程度の含有量です。プリン体を控えたい場合は、魚卵よりさらに多く含むレバーや干物、かつおなどの方をまず意識して減らすことが効果的です。

魚卵のメリットと上手な食べ方

いくらやたらこには豊富なタンパク質やビタミン群、ミネラルが含まれており、栄養的には魅力的な食品です。魚卵に含まれるビタミンB12やビタミンDは、血液の健康維持や骨の形成に役立ち、またビタミンEは抗酸化作用で細胞の老化防止に寄与します。
しかし、これらを健康的に享受するためには「適量を守る」ことが重要です。食べ過ぎることでリスクが高まる塩分やコレステロールの点を踏まえ、次の点を参考に上手に取り入れましょう。

  • 食べる量は一度に多く摂りすぎず、お茶碗一杯のご飯に対して適量(約30g程度)を目安にする
  • 塩分の多い加工食品や調味料の摂取を控え、トータルの塩分摂取量をコントロールする
  • 日々の食事で野菜や果物、低脂肪のタンパク質源もバランスよく組み合わせる
  • コレステロール値が高い場合や高血圧の方は医師と相談しながら摂取量を決める

まとめ

いくら・たらこは美味しく、栄養価が高い食材です。タンパク質やビタミン、ミネラルが豊富に含まれており、うまく取り入れることで健康に良い影響をもたらします。
しかし、塩分量やコレステロール量も多く、過剰に食べると血圧上昇や動脈硬化のリスクが高まってしまいます。また、プリン体の過剰摂取が気になる方も、魚卵を控える前に他のプリン体多含有食品と比較してバランスの良い食事を心がけることが大切です。
普段の食事では、魚卵の「適度な量を楽しむ」ことを意識し、塩分全体の摂取バランスを整えることで、健康的に美味しく魚卵を味わいましょう。

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